導入事例呉羽(常熟)フッ素材料有限公司

呉羽(常熟)フッ素材料有限公司

スマートファクトリーの実現に向け、業務効率の向上を実現

カイゼン効果

Before

現場での紙帳票への記録が作業者の負担となっている

After

QR コードから担当者名やロット番号の自動入力、電子天秤と連携した自動入力を実現

Before

紙での記録をExcel に入力し直している

After

転記の手間や入力ミスの懸念が減り、正しいデータが即時に共有可能

Before

紙記録のため、データの精度・鮮度に問題がありデータ活用しづらい

After

入力されたロット番号や担当者名などが自動的に保存・計算されるためデータの連続性が保たれ、データの信頼性が向上

  • 総経理 齊藤 太 氏

  • プロジェクト推進室 室長 大平 剛志 氏

  • 技術管理部 工程師 粕谷 侑紀 氏

導入前の課題

  • 現場での紙帳票や紙での記録や、紙からExcel へ入力する際の負担やミスを減らしたい
  • 現場がギャップを感じることなく、紙で記録していた作業の手順表やチェックリストなどのデジタル化を推進していきたい
  • 現場で得られた情報を効率的に活用し、迅速な課題解決や新たなイノベーションを起こしたい

i-Rpeporter のOEM 製品である、 mcframe RAKU-PAD 採用の理由

  • Excel や紙の帳票からほぼそのままに、PC やタブレット端末の入力画面として作成できる(Recording 機能)
  • 品質管理や生産管理に必要な管理図やパレート図などのQC7 つ道具が揃っている (Analysis Dashboard 機能)
  • 入力されたデータをシームレスに共有、集計・分析につなげられる

導入後の効果

  • 紙からの転記を不要にし、一部では自動入力も駆使して効率化とミスの削減を実現
  • 活用が進んでいる部門をモデルケースとして、部門間での連携・情報共有が一層強まった
  • 入力されたロット番号や担当者名などが自動的に保存・計算されるためデータの連続性が保たれ、データの信頼性が向上
  • 転記をなくすことで正しいデータが即時に共有可能

呉羽(常熟)フッ素材料有限公司
クレハグループの生産拠点、呉羽(常熟)フッ素材料有限公司は、リチウムイオン電池の部材などに使われるフッ化ビニリデン樹脂を中心に高性能フッ素樹脂を生産する企業だ。同社では、プラントの制御・管理システムがカバーしていない領域で、紙ベースの記録を行う場面が多く、それによってデータの精度・鮮度に問題があり、そのままではデータを活用しづらいことが課題にあがっていた。の対策として2021 年からビジネスエンジニアリング(B-EN-G)の現場のためのデータ記録・分析・活用ツール「 mcframe RAKU-PAD」(以下、RAKU-PAD)を導入。部署によっては、QR コードを利用した担当者名やロット番号の自動入力、電子天秤とのインターフェースによる自動入力など先進的な活用もみられ、現場主導でのスマートファクトリー化が進んでいる。

呉羽(常熟)フッ素材料有限公司
http://www.kureha-kfpc.com.cn/jp/
設  立:2012 年
従業員数:117 名
事業内容:フッ化ビニリデン樹脂
中国・江蘇省常熟新材料産業園区に拠点を構える。呉羽(中国)投資有限公司の投資により、クレハグループの生産拠点として、登録資本6000 万米ドルで設立された。2014 年4 月に正式竣工した第一期プロジェクトでは年産5000 トンのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を生産しており、需要の増加を受けて新プラントの増設に向け検討中

業務効率化の一環として紙への記録を止めデジタル化に着手
mcframe RAKU-PADを活用した自動入力の仕組みで円滑な操業へ

グローバル供給体制を担う中国工場施設内に残る紙業務が課題に

 フッ素樹脂の一種であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を生産する呉羽(常熟)フッ素材料有限公司(以下、KFPC)は、クレハグループにおけるグローバル供給体制の一翼を担うPVDF 生産拠点として、2012 年に設立された中国拠点だ。そんなKFPC の立ち上げに際しては、福島県いわき市にあるクレハのPVDF 生産拠点をマザー工場とし、日本の管理方法をそのまま取り入れたが、次第に改善すべき点も見えてきていたと、同社 総経理 齊藤 太氏は説明する。

 「プラントの制御・管理など重要な部分はDCS(分散制御システム)が担っているものの、それ以外のさまざまなデータや情報を紙ベースで記録する場面が多くありました。さらに、作業の手順表やチェックリストなどもデジタル化しづらい状況でした。こうした紙での記録をExcel に入力する作業は、大きな負担となっていました」(齊藤氏)

現場の業務との親和性を考慮しmcframe RAKU-PAD 導入を決定

 まず、KFPC が着手したのは、現場での紙での記録をデジタル化していく取り組みだ。プロジェクト推進室 室長 大平 剛志氏は、紙帳票のデジタル化ツールの選定理由について、以下のように語る。

 「業務効率化の一環として、紙業務のデジタル化に取り組むことになり、かねてから取引のある機械商社でB-EN-G のIoT ソリューション販売も手掛ける浜正機電貿易(蘇州)有限公司に相談したところ、RAKU-PAD を紹介してもらいました。プラント運転員の作業とも親和性があると感じられたことから、実際に使ってみることにしました」(大平氏)

 RAKU-PAD ではExcel や紙の帳票からほぼそのままのフォーマットで、PC やタブレット端末の入力画面が作成できる。さらに、入力されたデータをシームレスに共有・集計・分析につなげられると、幅広い活用を期待していたという。

 「RAKU-PAD の Recording 機能による入力作業の効率化はもちろんのこと、専門のIT部門でなくても簡単な設定だけで品質の傾向分析を行える環境を整えたいと考えていました。そこで、製造業の品質管理に必要な管理図やパレート図などのQC7 つ道具が揃っているRAKU-PAD Analysis Dashboard も採用することにしました」(大平氏)

自動入力を駆使し手間とミスを軽減データの連続性も確保

 RAKU-PAD 活用が最も進んでいる品質管理部では、製品をロットごとに分析し、その結果をRAKU-PAD に入力、必要に応じて関数も駆使して自動で合否を判定させる、といった使い方をしている。
 技術管理部 粕谷 侑紀氏は、「Excel へ転記する手間や入力ミスの懸念が減るなど、運用面で導入効果が出ています。QR コードによる担当者名やロット番号の自動入力、USB で接続した電子天秤からの自動入力など、RAKU-PAD の活用を進めているところです」と説明する。

これらの作業の手間やミスの削減は、品質管理部の中で工夫していったと品質管理部 部長 殷 兴奇氏は話す。

 「RAKU-PAD を導入した当初はロット番号などもキーボードで入力していましたが、QRコードで入力できると知ってから、シールを作るなどして段階的に切り替えていきました。おかげでミスもなくなりましたし、いったん入力すれば後は自動的に保存したり、計算したりしてくれるため、データの連続性が保たれています」(殷氏)

入力作業の削減だけにとどまらず、 RAKU-PAD により品質管理部門の総帳票種類の75%がすでにデジタル化され、大幅な業務効率化とペーパーレス化も実現している。なお、現場におけるRAKU-PAD の運用では、B-EN-G 上海と一緒に試行錯誤しながら進めたという。

 「帳票作成のトレーニングや、一部帳票の作成支援など、 B-EN-G 上海の親身なサポートに満足しています。B-EN-G 上海は運用支援のほか、製品の保守にも積極的で、不具合があった場合にも、後日にバージョンアップで修正するなどの対応をしてくれるので助かります」(粕谷氏)

品質管理部でのRAKU-PAD 活用は、KFPC の他の部署で利用を広げていくためのモデルケース的な位置付けにもなっている。特に展開を加速させようとしているのが、プラントの現場で働く製造部と設備管理部だ。製造部 副工場長・部長 黄 科成氏は次のように構想を語る。

 「当社のプラント内は防爆エリアとなっているため、使用するデバイスも防爆対応モデルでなければなりません。また、プラント内ではオンラインでの利用も必須となります。そのため、非防爆エリアである品質管理部門のRAKU-PAD 利用は進んでいますが、防爆エリアでの作業がメインとなる製造部門と保全部門における、リアルタイムにデータ連携したいというニーズには対応できていませんでした。しかし、 RAKU-PAD はこれまでiOS とWindows OS しか対応していませんでしたが、現在は一部Web ブラウザでの入力が可能となったことで、 Android OS の安価な防爆対応のタブレットを選べるようになったと聞いています。このように端末とネットワークの課題がクリアされてRAKU-PAD を使えるようになれば、現場で気付いた設備の不具合を保全業務を担当する設備管理部に伝える帳票などもデジタル化でき、より円滑な操業が可能になると期待しています」(黄氏)

 KFPC では、RAKU-PAD によって得られたデータを新たなイノベーションの手段として利用していく方針だ。

 「KFPC では、『KFPC バージョン2.0』として、スマートファクトリーやスマートオフィスの実現に向けた改革に取り組んでいく方針です。まずはデータを蓄積できる環境を整え、そしてそのデータを広く活用することで、新たなイノベーションを生み出していけたらと思います」(齊藤氏)

呉羽(常熟)フッ素材料有限公司
総経理
齊藤 太 氏

呉羽(常熟)フッ素材料有限公司
プロジェクト推進室 室長
大平 剛志 氏

呉羽(常熟)フッ素材料有限公司
技術管理部 工程師
粕谷 侑紀 氏

Toyo Business Engineering (Shanghai) Co., Ltd.のご紹介

呉羽常熟様でのi-Reporter 導入には、同社の赵礼伟様(日本語も対応可能なコンサルタント)を中心にご支援していただきました。同社ではお客様の運用に合わせた要件確認から設定・教育・保守まで一貫して対応可能です。

Toyo Business Engineering (Shanghai) Co., Ltd. 副総経理 兼 営業部長 児玉様に、技術支援の特徴を伺いました。

Toyo Business Engineering (Shanghai) Co., Ltd.
副総経理 兼 営業部長
児玉 様

  • 製造業のお客様へのシステム導入経験豊富なコンサルタントが、お客様の業務をよく理解しながら、使いやすいシステム導入をご支援します。Excel帳票をそのまま電子化するのではなく、入力は簡単なフォームにし、出力は現在と同様に行えるようするなど、使い勝手の良いシステムを目指します。
  • 弊社は単なる代理店ではなく、System Integrator ですので、他社に丸投げすることなく、自社のITコンサルタントが責任をもってシステム導入を行います。
  • 分析機能(mcframe RAKU-PAD Analysis Dashboard)は、弊社がi-Reporter用に専用開発しており、ボタン一つで容易に連携可能です。管理図やパレート図などのQC7つ道具を標準装備しております。
  • 製造現場で必要なITシステムを一通りご提供可能ですので、i-Reporterから始めて、MESやERPシステム導入までも一貫してサポート可能です。

    ビジネスエンジニアリング株式会社様はi-Reporterの代理店として、中国、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、アメリカ、カナダ、メキシコとグローバルにi-Reporterの導入を支援していただいております。

2019年i-Reporterパートナーアワードにて左から…
B-EN-G 上海 万妍 様
シムトップス 生出さやか
B-EN-G 上海 児玉淳也 様
B-EN-G 上海 総経理 孫強様
シムトップス 李長林
シムトップス 芦勇虎

導入企業プロフィール

呉羽(常熟)フッ素材料有限公司

設立:
2012年
本社所在地:
江蘇省常熟市新材料産業園区海平路2号
事業内容:
フッ化ビニリデン樹脂の製造・販売
オフィシャルサイト

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