導入事例タキイ種苗株式会社

タキイ種苗株式会社

圃場調査票をデジタル化した事例

▲タキイ種苗株式会社様の本社社屋

タキイ種苗株式会社(以下、タキイ種苗)は、京都府京都市下京区に本社を置く種苗会社。
創業180年以上の歴史を持ち、高品質の野菜や草花の種子・苗を生産・供給しており、野菜種子の売上では国内トップシェアの種苗メーカーだ。

▲生産部 部長 柗村和彦 様


柗村和彦様 :弊社は『タネから始まる無限の創造性を活かし、世界の人々にとって新しい期待と感動にあふれる、健康的で豊かな生活の実現に寄与する』をミッションに活動しています。創業180年という長い期間で培った品種改良技術や、高品質種子を供給し続けたことで得られた農家からの信頼を強みとして、ベランダ菜園、家庭菜園など簡単に育てることが出来るタネから、農家が使用するタネまで幅広く展開しています。弊社が開発した人気の高い品種として、トマト「桃太郎」、ナス「千両二号」、カボチャ「えびす」、切り花向けヒマワリ「サンリッチ」などがあります。

▲タキイ種苗様にて交配した大玉トマト「桃太郎ネクスト」

紙の圃場調査票はフォーマットや記入項目がバラバラ
持ち運ぶ紙の量も多く現場の負担が重かった

▲生産部 永田治雅 様

永田治雅様:生産部には作物を育てる畑を調査する「圃場調査」という業務があり、担当者は圃場調査の結果を圃場調査票に記録と報告を行います。従来から使用していた紙の圃場調査票は、担当者各々が圃場調査票の雛形を作成していたため、フォーマットや、記入する調査項目が統一されていないという課題がありました。

▲元々活用していた圃場調査票


また、圃場調査票は作場ごと、品種ごと、生産者ごとに1枚ずつ作成する必要があり、調査に持っていく紙の枚数が非常に多くなります。そのため、雨などで濡らさないよう注意を払いながら、分厚いファイルをいくつも持ち歩く必要があります。
管理方法も担当者それぞれの裁量で行われていたため、現場情報の共有も十分に図れていない状況でした。

▲紙帳票を利用していた際は一度にこれだけの量の書類を持ち歩いていた

紙帳票をタブレットに切り替えるのはどうかと問われ、
具体案を提案したことでプロジェクトが開始

永田治雅様:当時の部長から圃場調査票のデジタル化を進めるよう話が出まして、部内で具体的な提案をしたのが私だけだったので、私が中核となり進めることになりました。
当初は社内の情報システム部がMicrosoft Access(※1)でデジタル化した圃場調査票を使っていましたが、それでは現場での使い勝手が悪く、システム修正も現場側で簡単にはできない状況でした。
※1:Microsoftが提供するデータベース管理システムのソフトウェア

その後、インターネットで最適なツールを探していたところ「i-Reporter」を発見し、「これなら生産部で自分たちが使いやすいものが作れるのではないか?」と感じ、i-Reporterの導入に至りました。

現場記入は最低限に抑え、
リスト選択やカメラ機能をフル活用

▲スマートフォンに最適化したフォーマットを作成

永田治雅様:畑の状態や作物の状況、病気や害虫の入力については、どんな病気や害虫がどんな頻度で発生しているかをリスト選択できるようにし、
入力内容の標準化と効率化ができました。
畑の面積や予想収量は数値入力、播種日や定植日や開花日などの日付データはカレンダーから選択するなど、現場作業時にイチから記入する行為を撤廃しました。

リストや数値の選択機能を用いて、出来る限り簡単に入力できるようにした


従来、圃場の様子をデジタルカメラで写真撮影していたが、現場から戻ったあとに写真の仕分けと名称変更作業が必要で、残業や夜間労働に繋がっていましたが、
i-Reporterではその場で撮影した写真が帳票に貼り付けられ、写真データ出力時に自動的に名称も設定されるので、後処理工数が大幅に削減できました。

▲写真の撮影と帳票への添付もその場で完結



圃場によっては分かりづらい場所に位置していることもあり、作業担当者が現場移動時に迷うことも多々あります。
しかし、i-Reporterは帳票入力時に位置情報も記録することが出来るので、Google mapを組み合わせることで、圃場への道で迷うことがなくなりました。

iPhoneで入力しやすいレイアウトで作成

永田治雅様:導入検討時はiPadでの運用を検討していたが、社給携帯がiPhoneだったため、調査票はいずれiPhoneで行なうようになるだろうと予想し、
iPhoneで入力しやすい画面レイアウトにしました。
実際、iPadだとポケットWiFiが必要なことと、iPhoneとiPadの2台持ちが煩わしいこともあり、iPhoneでの利用がほとんどになりました。
iPhoneの画面が小さいのは慣れでカバーしています。

CSVを使ってi-Reporterと社内システムを連携、
帳票の事前作成やデータ転記の手間はありません

▲システム連携図

永田治雅様:タキイ種苗では、生産計画から収穫したタネの荷受け、その後の種子加工から販売という一連の流れは社内システムで構築されています。
その社内システムの生産計画データをCSVデータで出力し、i-Reporterの自動帳票作成画面で一括取込を行うことで、まとめて圃場調査票を作成しています。

圃場調査後にはi-Reporterのデータ出力機能で出力したCSVデータを社内システムに取り込ませて、まとめて調査内容を反映させ、転記工数を削減。
i-Reporterは商品管理部も利用しており、種子加工や精選業務においても社内システムと連携させています。

畑での作業終了後の工数が大幅削減、
日当たり1〜2時間の時短が実現できた

永田治雅様:i-Reporterを利用したことで、削減できた紙の枚数は相当な量になりますが、それよりも、時間削減効果の方が大きいと感じています。
従来の調査方法は、畑で紙の調査票に調査内容を記入し、圃場の状態をデジカメで撮影した後、その日の夜に調査内容をエクセルの調査日報に転記し、デジカメの写真1枚1枚に名前を付けて保存。出張報告書用に予想収量は電卓で計算して算出。出張明けに会社で調査日報の内容を社内システムに転記していました。
それがi-Reporterを使うことで、Excelと社内システムへの転記がなくなったことに加え、写真への名前付け作業が不要になりました。
また、予想収量の計算もCSVデータから簡単に集計できます。
これで出張1日のうち1時間から2時間の時短になり、夜をゆっくり過ごせるようになりました。
畑にいながら昨年の調査内容や写真を確認できるようになったことも、i-Reporterを導入してよかった点です。

今後も、i-Reporterの活用を進めながら、Society 5.0の実現に向けて、デジタル化やDXに取り組んでいきたいと考えています。

なお、今回の取材の模様を以下の動画にまとめてあるので、併せて確認いただきたい。

導入企業プロフィール

タキイ種苗株式会社

設立:
1920年
本社所在地:
〒600-8686 京都市下京区梅小路通猪熊東入
事業内容:
野菜・草花・牧草・芝草種子の開発・生産・販売/農業専門学校の運営
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